CIRCUIT / LED
LED 電流制限抵抗の計算ツール
R = (Vcc − n·Vf) / If を出すだけなら電卓で足ります。実際にLEDが壊れるのは、Vf のばらつきで電流が想定より流れたとき、並列に抵抗を共有して電流が偏ったとき、ヘッドルームが小さすぎて電源変動に敏感になったときです。そこを数値で出します。
使っている式
R = (Vcc − n·Vf) / If n = 直列個数
抵抗の消費電力 P = If² · R
電源電圧感度 = Vcc / (Vcc − n·Vf)Vf のばらつきがそのまま電流のばらつきになります
LED の Vf はデータシート上でも幅があります。5V 電源、Vf 2.0V、300Ω で 10mA を狙った回路で、 Vf が ±0.1V 振れるとどうなるか。
Vf = 1.9V → If = (5 − 1.9) / 300 = 10.33 mA
Vf = 2.0V → If = (5 − 2.0) / 300 = 10.00 mA
Vf = 2.1V → If = (5 − 2.1) / 300 = 9.67 mA
→ ±0.1V の Vf ばらつきが ±3.3% の電流ばらつきになるこの比率はヘッドルームで決まります。ヘッドルームが小さいほど、同じ Vf ばらつきが 大きな電流ばらつきになります。
ヘッドルームは電源電圧の20%以上を目安に
5V 電源に Vf 2.0V の LED を 2個直列にすると、抵抗が負担するのは 1V しかありません。 このとき電源電圧感度は 5 倍になります。電源が1%変動すると電流が5%動くということです。USB の 5V が 4.75V まで落ちれば電流は 25% 減ります。
直列個数を減らすか、電源電圧を上げるか、定電流ドライバを使ってください。 このツールでは感度が4倍を超えると警告を出します。
並列に1本の抵抗はやってはいけません
LED を並列にして抵抗を1本にまとめると、Vf の低い個体に電流が集中します。 並列の LED は同じノード電圧を共有し、順方向特性は指数関数なので、わずかな Vf 差で 電流が大きく偏ります。偏った個体が熱くなると Vf がさらに下がり、もっと電流が流れるという 正のフィードバックが働きます。
このツールでは共有構成を選ぶと、Vf が下限の枝に全電流が集まる最悪ケースを表示します。枝ごとに抵抗を分けてください。抵抗1本の節約で LED を失います。
抵抗で捨てている電力を見てください
5V で Vf 2.0V の LED を 10mA 光らせると、LED が 20mW、抵抗が 30mW を消費します。全体の60%が熱です。電池駆動なら効率が直接動作時間に響くので、 直列個数を増やしてヘッドルームを詰めるか、スイッチング型の定電流ドライバを検討してください (ただしヘッドルームを詰めると上に書いた感度の問題が出ます。ここはトレードオフです)。
含んでいない要素
- Vf の電流依存性と温度依存性。ここでは定電圧源+抵抗として近似しています
- 放熱設計。パワーLEDでは接合部温度が寿命を決めます
- パルス駆動(PWM)時の実効電流とピーク電流の区別
- 光束の電流依存性。電流を2倍にしても明るさは2倍になりません