
Camber
キャンバー角 3°
旋回時、外輪には自重・吸引力・遠心力の合成で斜めの荷重がかかる。タイヤをこのベクトルに合わせて傾けることで、ニュートラルキャンバーを超えるグリップを引き出す。3°という数字はR35 GT-Rの標準値へのオマージュ。
2019 Classic Micromouse — A's Lab Ⅱ
HUÁ JĪN / ファージン
台湾大会に向けて製作し、名前は現地の人が読みやすい中国語読みで命名。 2月に基板を起こし5月に走り始めたこの機体は、シーズンを地区大会で戦い抜き、 全日本マイクロマウス大会2019 クラシック競技で優勝を果たした。
Machine
東日本地区大会で0.1秒未満の差で3位に敗れたことをきっかけに、シーズン途中でマシンの魔改造を決断。 リポバッテリーを2Sから3S化し、モータードライバの定格を超える12.6Vで駆動するという攻めた構成に踏み切った。 吸引モーターのマウントを変更してバッテリー搭載位置を工夫し、わずかながら低重心化も図っている。
2輪マウスはとにかく重心バランスが命。重心を完全にタイヤ軸上に載せてシーソー状態を実現し、 吸引スカートもタイヤに吸引力がそのまま乗るよう設計。バッテリーなど重い部品は旋回中心に寄せて 低イナーシャ化を徹底した。
Engineering

Camber
旋回時、外輪には自重・吸引力・遠心力の合成で斜めの荷重がかかる。タイヤをこのベクトルに合わせて傾けることで、ニュートラルキャンバーを超えるグリップを引き出す。3°という数字はR35 GT-Rの標準値へのオマージュ。

Downforce
CNCで0.7mm厚に削り出した紙フェノールの1次スカートに、帯電防止チャック袋を用いた0.1mmの2次スカートを重ねた計1.1mm構造。両面テープの厚み0.15mmすら車高計算に含める精度で仕上げている。

Low Inertia
最も重いバッテリーを旋回軸上に配置し、軽いエンコーダはギヤを追加してでも外周へ。重い部品をひたすら旋回中心に寄せることで、旋回の切り返しが軽い機体に仕上げた。

Sensors
横壁は発光LED2つに対し受光素子は1つ。発光タイミングの切り替えで擬似的に2センサーとして運用する。同角度センサーの差分から柱の検出も容易になり、壁切れ位置の使い分けを可能にした。

Acceleration
速度域ごとに加速度を3段階に切り替え、デューティ比100%付近を維持し続ける制御。0.7秒の直進を1msごとに記録・解析し、電源の限界ではなくタイヤのグリップ限界と対話しながらパラメータを詰めた。

Fail-safe
定格を超えて回すからこそフェイルセーフは確実に。左右タイヤの速度差が50ms間9m/s以上になったら停止させる処理で、持ち上げ時の暴走や高速空転からモーターを守る。




Season 2019
4走目でクラッシュするも、吸引スカートの捲れに気づき冷静に修正。同じパラメータで再走し完走を決めた。 シーズン中は地区大会を巡って上位勢の走行動画を撮り集め、自分の走りと並べて比較しながらパラメータを練り上げた。 「常に最新の情報収集が優勝の鍵。最後は心理戦」。
Telemetry
優勝を決めた本番の走行パラメータを公開。相手のレベルに合わせて2段階の最短走行パラメータを用意し、決勝の駆け引きに臨んだ。
On Track